お正月の風習(№326)

 本来「正月」は1月の別称ですが、1日が元旦、3日までを三が日、7日までを松の内といい、さらに1月15日(地方によっては20日)の「小正月」まで、さまざまなお正月行事が行われます。昔から、元旦には「年神様(としがみさま)」という新年の神様が、1年の幸福をもたらすために各家庭に降臨するとされています。
 「主婦は三が日に家事をしなくてよい」という風習があります。毎日仕事をしている女性を、家事から開放してあげるという意味があると言われています。そのために、数日掃除をしなくてもいいように年末の大掃除をしたり、三が日食べられるようにおせち料理を作ったりするのです。
 「元日にはお風呂に入ってはいけない」という風習があります。これは、昔は風呂焚きというのは井戸から水を汲み上げ、薪に火をつけてお湯を沸かしといった重労働であったため、元旦くらいは家事をする女性を休ませてあげようといった理由だとされています。昔は元日に風呂を炊くと地獄の釜が沸くと言って忌み嫌われていました。
 「元日は掃除はしてはいけない」と言われています。これは、せっかく来ていただいた神様を追い払ってしまうと考えられるためです。「元日に掃除をすると、わざわざやってきた福の神を掃き出すことになってしまう」ため、縁起が悪いのだそうです。同じ理由から、「洗濯も裁縫も風呂に入るのも禁止」。どれも、福の神を追い出してしまうことになるらしいです。
 「お賽銭以外のお金は使わない!」「元日にお金を使うと、その年は浪費する年になるので、控える」という意味のようです。ちなみにお賽銭は大丈夫とのこと。1年をお金が出て行くばかりにしたくない場合は、初売りや福袋などは、元日に買いに行かないほうが良いとされています。これは、元旦にお金を使ってしまうと、その1年、財布からお金が出ていくようになるためです。お賽銭には使ってもいいというところがユニークですね。

(makonda)

2017年12月27日