喫煙者は不採用になる時代がきています!(№346)

 受動喫煙対策を徹底する改正健康増進法が昨年7月に成立しました。これにより国や都道府県などが、受動喫煙防止の周知、啓発をはじめ、今年の7月1日から学校や病院、行政機関などの敷地内が全面禁煙になります。厚生労働省の基本的な考え方は、受動喫煙による健康被害が大きい子供、患者などに特に配慮した、「望まない受動喫煙」をなくすというものです。
 「望まない受動喫煙」をなくすだけでは手ぬるいと考えた大学が現れました。これからの内容はネット記事からの引用です。長崎大学は、禁煙対策の強化として、教職員の就業時間内の喫煙を禁止すると共に、今後の新規採用にあたり喫煙者を採用しない方針を示しました。教職員がタバコを吸って自分の健康を害するだけでなく、学生はやはり教員の背中を見ていて、教育の場としては、喫煙者は相応しくないと結論付けました。こうした基準を設置するのは、国立大学としては全国初の試みだそうです。この方針にはやはり賛否両論が沸き起こりました。「差別だ。人権侵害だ」という批判の声が上がる一方、「タバコは嗜好ではなく依存症を引き起こす」、「医療従事者を養成する大学として当然」という賛同の声も寄せられました。
 「タバコを吸う、吸わないは個人の嗜好であり、大学が踏み込む問題ではない」という反論に対して憲法の立場からある弁護士が語っていました。「喫煙権」は人権なのか。受動喫煙の問題と同時に、タバコを吸った後も30~45分間は喫煙者の息から有害物質が吐き出されることや、服やカーテンなどに残ったタバコ残留物から有害物質を吸い込んでしまう「三次喫煙」の問題も指摘されています。それが原因で喘息発作を起こす人もいます。この点が「単なる嗜好の問題」とは言えないところの難しさです。大学には未成年の学生もいます。大学側には全ての方に健康なキャンパスライフを保障する責任があるわけです。その責任からすると、喫煙者を採用しないことで憲法違反の判決は出にくいように思うと指摘しています。さらに、個人的には、喫煙権の問題は、人権そのものというよりも、個人的な嗜好であり、個人生活上の利益として存在している。喫煙者を採用しないという問題も、大学の裁量権の問題であり、裁量権の逸脱や濫用がなければ違法にならないのではとまとめています。
 5月31日は「世界禁煙デー」でした。WHOが世界の人々の健康のために禁煙を推進するために設けた日だそうです。何はともあれ喫煙者を取り巻く環境は厳しくなっているのは間違いない。喫煙者のなかでも特に、小さなお子さんがいる親御さんはこの際禁煙してみてはいかがですか。

(めだかの里)

2019年06月27日