元号改正年に臨んで(№343)

 はて?何をテーマにしようか?と悩んだ末、今年の10大ニュースにきっとなるに違いない「元号改正」にしようと決めた。
 元号について調べてみますと、江戸時代までは、政変・天変地異・疫病などで社会秩序や人心が乱れた時、天皇が世を一新する希望を込めて元号を改正したという。飛鳥時代・大化の改新(645年)の「大化」が1番目で、現在の「平成」は247番目らしい。南北朝時代には、天皇家が両立して2つの元号が並立したので二重カウントになっている。(信じがたいが、中学時代に歴代天皇と元号をすべて暗誦できる博覧強記に出会った。彼には運動以外何事にも敵わなかった思い出がある。)
 最も短い元号は、鎌倉時代の四条天皇治世の「暦仁(りゃくにん)」である。相次ぐ天災による元号改正で、わずか2ヶ月14日で終わった。このとき救済を祈願して鎌倉大仏も創建されたとか。元号最多改正記録保持者は室町時代の後花園天皇である。かなり政情が不安定だったのでしょう、治世36年間に9回元号改正している。彼の在位晩期には応仁の乱が勃発しております。一方、長期間の元号は1位「昭和」64年、2位「明治」45年、3位「応永」35年、4位「平成」31年である。最近の元号が長期であるのは、明治時代からは1天皇1元号とされたためですね。
 興味深いことに元号にあやかって創建されたお寺が散見されます。延暦寺(788年創建)、仁和寺(888年)、建仁寺(1202年)、建長寺(1253年)、明徳寺(伊豆、1391年)、寛永寺(1625年)などなど。元号が異なれば違う寺名になっていたかも・・・。
 私は、元号を挟んだ年数を計算するのが苦手で、全て西暦にすれば楽なのにと常日頃思っていたが、今回元号について調べてみて、元号が時代とともに生きてきたことを実感した。だから、元号をなくすのはもったいないな、あってもいいかなという気がしてきた。私にとって2度目となる今回の元号改正にはおまけがある。世間一般的には、空前絶後の10連休がもれなく付いてくるのだ。
 さて、皆様は新元号・10連休のどちらを楽しみにしておられるのでしょうか?

(古今)

2019年03月27日