素人の、素人による、素人のための仏さま 第一章(№340)

 1年振りで仏様の話です。前回、仏様(像)の世界は4段階に分かれた階級社会で、高いランクから順に如来、菩薩、明王(みょうおう)、天となっていることを書きました。
 最高位の如来は悟りを開いた者を意味し、全体的にはかなり質素な身なりをしているのが特徴で、大きくは釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来、薬師如来があります(奈良→平安→鎌倉と時代の変遷が関わってきます)。釈迦如来は仏教の開祖であり実在したブッダ(ゴータマ・シッダールタ)のことで、基本となる仏様です。薬師如来は左手に薬壷を持ち東方(瑠璃光)浄土で人を救い、阿弥陀如来は西方(極楽)浄土で人を救うとされる。大日如来はほかの如来と異なり装身具を身に着け、きらびやかに着飾っています。密教の最高仏で、密教の世界観においてはすべての仏(釈迦如来も)は大日如来の化身であると解釈されています(素人にはなかなか理解しにくいところです)。
 如来には助さん角さんのようなサポート役(脇侍 わきじ/きょうじ)がおり、階級が1つ下の菩薩が担います。その組み合わせは次の如くで、寺院ではセットで3体が並んで祀られていることがあります。
  釈迦如来:文殊菩薩と普賢菩薩
  薬師如来:日光菩薩と月光菩薩
  阿弥陀如来:観音菩薩と勢至菩薩
 菩薩は、悟りをひらくための仏道修行に励みながら、悩み苦しむ衆生(人々)を救おうと尽くす仏様とされていて(忙しそう!)、如来と比べて着飾ったり装飾品を身に着けていることが多いようです。有名なのは「慈悲」を神格化した観音菩薩で、基本となる聖(しょう)観音(単に観音様という時はこの観音を指すよう)と、そこから変化したものとして千の手(千の眼も持っている)で自在に人々を救済する千手(せんじゅ)観音、十一の顔を持ちさまざまな方向から衆生の声を聴き救済する十一面観音などがあります。観音の他になじみが深く人気の菩薩には地蔵菩薩があり、これはお地蔵さまと呼ばれ親しまれています。地蔵菩薩は、ブッダが亡くなってから地上に弥勒如来が現れるまでの56億7千万年の間(?)、生きとし生けるものを救済する役割があるのだそうです。その他、「3人寄れば文殊の知恵」の文殊菩薩は知恵をつかさどる仏で獅子に乗っている姿が多く、五台山竹林寺にもご本尊として祀られている(秘仏であり50年に1回しか公開されない)のを知っている方も多いのでは。如来も菩薩も、立像や座像などいろいろな姿勢をとっているものがあります(如来には座像が、菩薩には立像が多いような気がしますが)。
 以上、少しややこしくなりましたがお寺の仏様を観る時に少し参考になれば幸いです。
 To be continued(次は明王、天について)

(神仏習合)

2018年12月27日